【書評】「日本再興戦略」で日本と自らを省みる
本を通じて人生について考える
突然ですが皆さんは書籍からどれくらい普段影響を受けていらっしゃいますでしょうか?
私は物凄く影響されやすいです。自信満々
読書の楽しみの一つは知らないことや知らない世界、新しい考え方に気軽に触れられることにあると思います。
確かにインターネットも発達して自分で情報の取捨選択も簡単に出来る時代。
しかし、その情報量や、思いがけない新しい世界に触れられるという意味で本や書店は今後も縮小はしてもなくならないのではないかと思います。
そんな影響されやすい私が今回読んだのがこちらの書籍。
日本再興戦略ー日本の未来の考え方
というわけで落合陽一氏の「日本再興戦略」を今更ながら読んで非常に感じる部分があったので書き連ねる次第であります。
この本、以前より買ったままなかなか読めてなかった(失礼)のですが、読んでみて改めて考えさせられることの多い内容となってました。
メディアでも見る機会の多い落合陽一氏をご存知の方は多いかと思います。
研究者、経営者、メディアアーティストなど非常に多くの顔を持ち、様々な分野の第一線で活躍されているため注目度も非常に高いです。
以前に堀江貴文氏と共著の「10年後の仕事図鑑」を読み働き方について考えさせられたため(こちらも非常に面白かったです!)、興味を持ち本書も購入しました。だったら早く読もう
本書では、現状様々な課題を抱える日本社会について、欧米と日本の在り方についてを各々のルーツから区分けし、さらに発達するテクノロジーの今後の活用、そして日本社会の課題克服のためにどうすれば良いのかという点を独自の視点で描いています。
最近話題の自動運転や、次世代通信システムの5G最新のテクノロジーの展望や具体的な活用方法なども書かれており、IT音痴ながらにワクワクさせられる内容がてんこ盛りでした。
日本再興に向けて、地方自治強化などの主張も本書でされてますが、歴史における統治スタイルなどからその妥当性を丁寧に描かれており、非常に読みやすく感じられます。
そのほかにも教育についてなども具体的な指針を示されており読み応えもあります。
日本の現状を「チャンス」と捉える
特に現状の日本社会の課題を考える上で少子高齢化は重要なキーワードだと思います。
世界的な課題となりつつある少子高齢化、その中でも日本は他の先進国と比較してより深刻な問題となってます。
最近ではこれまたベストセラーとなった「ライフシフト」(リンダ・グラットン著)で改めて人生設計を考えさせられた方も多いかと思います。
二人に一人が100歳を超える、すでに人口が減少している日本においてはその対策が死活問題と言えます。
医療費、介護、労働力不足…少子高齢化が抱える問題は多岐に渡ります。
そんな少子高齢化が世界一進んでしまっている日本を落合氏は本書で次のように書いています。
人口減少と少子高齢化はこれからの日本にとって大チャンスなのですー 日本再興戦略より抜粋
あくまでも本書は「再興」について記しています。
世界一少子高齢化が進む日本は、機械化も進めやすい、諸外国に先駆けて対策に取り組めるチャンスに溢れた国であると述べています。
本書において、個々のミクロ的な問題はともかくとして日本という国の先行きをネガティブに考えるような記述は見当たりません。
落合氏自身が真に明るい未来が日本にある、その土台としてテクノロジーやこれまでの日本の文化が存在していると確信しているように感じられます。
とかく課題多き我が国において、悲観論や陰謀論に近いような書籍も昨今増えてきているような気がします。そういう本も気になって買ってしまう笑
そんな中にあって、様々な分野で活躍する落合氏がこのように日本の未来について論じているのを読むと、前向きな気持ちになり、その中で自身に何が出来るか考えさせられます。
「拝金主義」となるなかれ
個人的に本書においてもう一つ、非常に考えさせられた箇所がありました。
今の日本人は、お金を過度に気にするあまり、大きな自己矛盾を抱えています。今の日本が持っている「内なる拝金主義」は大きな問題です。ここから抜け出さない限り、士農工商などの「価値を中心としたパラダイム」には戻れません。ー日本再興戦略より抜粋
本書において、江戸時代に存在した士農工商の重要性を再三説かれています。
官僚や役人の「士」、百姓(農業以外にも様々な生業を行う人)の「農」、職人の「工」、そして現代では金融機関などに代表される「商」です。
そして上記の記述通り、現代ではこの「商」の部分、つまり金融機関やお金への依存があまりに強すぎるというのです。
特にクリエイティブで価値あるものを生み出す人こそが評価されるべき世の中において、程遠い存在である「商」と、そしてお金に過度に執着していると論じています。
自己紹介でも述べさせていただいている通り現在も金融機関に籍を置く私としてはかなりショッキングな内容でした。
しかし氏の主張は痛いほど納得できてしまいます。
もちろん現代、そして将来的にも金融機能が社会において重要な役割を果たしていくことに議論の余地はないかと思います。
しかし、「商」の人間は決して新しいものを生み出しているわけではありません。(あえて言えばデリバティブ商品は画期的な発明ですが)
また、バブル崩壊やリーマンショック、ミクロ的に見れば直近のスルガ銀行の不祥事など金融が生み出してしまった負の側面も少なくありません。
フィンテックなどテクノロジーが発展し、お金の考え方も変わりつつある現代において、これまでのような価値を「商」は持たない、あるいは持つべきではないのかもしれません。
もちろん、私自身も現在そうですし同じく金融業界に属することを批判するつもりは毛頭ありません。
個人で生活する上で、また企業経営においても金融機能は間違いなく意味もありますし今後も形を変えながら残り続けると思います。
しかし、変化を必要とする現代において、今自分に何が出来るか、このまま今の仕事を続けていくべきかどうか、という点は非常に考えさせられました。
自分は何が出来るのか?
とこのように個人的にも非常に考えさせられ、読み応えがある内容でした。
内容は述べたように非常に前向きであり、読みながら自分を省みさせられ非常に面白かったです。
…とここまで書かせていただいたように、本書を読み改めて危機感を感じ改めて以前よりやっていたプログラミングの勉強に力を入れています。前回転職する気ないと書いたのに笑
もちろんすぐに転職してどうこうという気はありませんが、クリエイティブなものが求められる時代、また簡単に始められる時代にあって学んでいかないことは非常にもったいないと感じる次第です。
とりあえずはprogateでhtmlやjavascriptなどを触ってレベル86に。
並行して買った書籍でゲームアプリを作ってみてるところです。今後は実際にできたものも載せたいなぁ。(願望)
日々前進あるのみですね、ではまたの日に。